子供がなかなか離れてくれない時ってありますよね。
特に、保育園などに入りたての頃はずっとくっついて離れません。
仕事の時間もあるし、早く保育園に慣れてほしいなぁ…
私の娘もなかなか離れませんでした。
先生に手伝ってもらって半ば無理やりバイバイしていました。
最初は仕方が無いと思っていたのですが、娘の表情や置かれている環境を考えるうちに、もっと子供のためになる方法があるのではないか…と思うようになりました。
今回は、親から離れられない子供に対して、どのように考えるのが望ましいのかを探求していきます。
子供が親から離れられない理由
まずは、子供が親から離れられない理由を知る必要があります。
どのような時に、親から離れられなくなるのでしょうか。
・初めての場面に直面した時(例:保育園登園初期の頃)
・心や体のコンディションが悪い時(例:疲れている時、泣いている時)
などでしょうか。
これらは、心が「不安」を感じている時です。
新しい環境であれば誰だって不安を感じるでしょうし、慣れた環境でも心や体が弱っている時は、何だか嫌な感じがします。
そんな時に、子供は親から離れられなくなります。
「勘弁してくれよぉ…」と思っている親の足元で、子供は必死に不安と闘っているのですね。
立派な大人になるように突き放す?
子供が不安に思っていることはわかりました。
でも、立派な大人になってもらうために、心を鬼にして突き放す…
まさに、「可愛い子には旅をさせよ」ですよね。
確かに、人は厳しい環境に身を置くことで、徐々に適応し成長します。
私も、職場や立場が変わるたびに不安を感じますが、少しずつ適応していきます。
それを成長と呼ぶことも出来るかと思います。
しかし、突き放すことがいつも正しいとは限りません。
一歩を踏み出すためには、「不安に立ち向かおうという前向きな気持ち」が必要です。
子供がその状況に向き合える状態であることが大切です。
人には安全地帯が必要
子供に限らず、人は不安を感じるものです。
では、不安を感じた時、何が必要でしょうか。
友達と遊んで気晴らしをする?
ゲームや動画を見て気を紛らわせる?
まずは、自分が安心できる環境で息抜きがしたいですよね。
心休まる安全な場所(安全地帯)でね。
それは子供も同じです。
子供は、安全に見える保育園であっても、とても不安を感じています。
そして、子供にとって最も安心・安全を感じる場所は、「親の近く」です。
子供は安心したくて親にくっついているんですね。
人は不安が強いと社会に属せない
ご存じの方も多いと思いますが、人間の欲求を5段階で定義した「マズローの欲求」というものがあります。
マズローはアメリカの心理学者で、人間の欲求を5段階に分け、欲求は基本的に下から順番に満たされていくということを提唱しました。
まずは最下層の「生理的欲求」を満たそうとします。
食事やトイレ、睡眠などがそれにあたります。
次は第二階層の「安全の欲求」。
体の健康や心身の安全に関する欲求です。
そう、子供が不安を感じている時は、この「安全の欲求」が満たされていない状態なのです。
この状態では、次の「社会的欲求」(保育園や学校、友達の輪などに属したいという欲求)が生まれません。
裏を返せば、「子供は安心すると自ら保育園や友達のところに行く」ということですね。
家で充電しよう
いろいろと整理してきましたが、子供は安心がしたいということでした。
果たして、親にくっついてくる子供を突き放すことが最適なのか?
まずは子供を安心させてあげる方が良いのではないか…
私はそう思います。
そのため、
まずは、子供が不安に思ったときに安心できる環境を作ってあげます。
それが家であり、親の近くです。
すると、疲れて帰ってきた子供が家で安心を充電し、次の日にまた外の世界へ挑戦していきます。
最初はなかなか一歩が踏み出せないけど、毎日安心感を得ることで、少しづつ外の世界に踏み出します。
そして、安心感で満たされた子供は、いつしか親から離れ、自立するでしょう。
私の長女は、人一倍不安を感じる性格です。
6歳になりますが、生まれた頃からいつも親にくっついてきます。
そんな長女ですが、無理に突き放さず、安心感を与えるように振舞っています。
不安を感じているなと思ったときは、出来るだけそばにいてあげるようにしています。
すると、少しずつその不安と向き合い、最後は自らの足で踏み出しています。
親は一緒にいるだけで子供に安心感を与えることが出来るんだなぁと、いつも実感しています。
もちろん、不安な状態でも立ち向かっていかなければならない時はあります。
でも、出来るだけ自らの足で、前向きに立ち向かってほしいのです。
そのために必要なことを自分が与えられるのなら、喜んで与えてあげたいのです。
いつもは無理でも、出来るだけでいいんです。
まとめ:子供が親から離れられない時に考えるべきこと
今回は、「子供が親から離れない」ということに対して考察しました。
子供は不安を感じた時に親にくっつきますが、それは、「安心したい」という気持ちの表れでした。
そして、「マズローの欲求」のとおり、人は安心・安全が満たされていないと、社会に属したいという欲求が発生しません。
安心をするためには、人それぞれが安心して息抜き出来る「安全地帯」が必要です。
子供にとっては「親の近く」が最も安心できる場所です。
子供は、家や親の近くで安心感を得て、また外の世界に挑戦していきます。
不安を感じつつも、自らの足で一歩を踏み出すようになっていきます。
親は、子供にとっての安全地帯になってあげたいですね。
本記事の一部は以下の書籍を参考にしています。
安全地帯についてはもちろん、頭のいい子に育てるための「コミュニケーション」「生活習慣」「遊び」「学習」と、幅広い内容が学べます。
まだ読まれていない方は、是非読んでみてください。