近年、幼児教育だけでなく自己啓発においても非認知能力が注目されています。
非認知能力に関する書籍も本屋でよく見かけますよね。
でも、非認知能力ってどうして重要なの?
そもそも、非認知能力って何?
そんな疑問を持っている方も多いと思います。
そこで、今回は非認知能力が何なのかと、幼少期に非認知能力を高めるべき3つの理由を説明します。
この記事を見れば、幼少期には非認知能力の向上に取り組むべきということがわかると思います。
非認知能力とは?
まずは非認知能力について説明します。
非認知能力とは、以下のように数値で測れない能力のことを言います。
主に心理面のことであり、心理的知能指数(EQ)とも言えます。
これらの能力は、他者との関わりの中で育つ能力であり、成功だけでなく失敗や挫折を通して鍛えられます。
一方、対称的なのが認知能力です。
これは、「学力」などの数値で測れる能力のことです。
知識や計算力、思考力などが該当し、いわゆる知能指数(IQ)のことですね。
認知能力は、勉強など自身の努力で鍛えることができます。
(集団である必要はない)
一昔前までは認知能力が重視されてきました。
しかし、「成績やIQで計測される認知能力だけで人を評価するのは不十分」とシカゴ大学のヘックマン教授などが唱えました。
そして、現在の教育では非認知能力が注目されています。
では、どうして幼少期において非認知能力の向上が重要なのでしょうか?
非認知能力はあらゆる分野の基礎となる
非認知能力とは、前述した通り、意欲、忍耐、協調性、自尊心、自制心などの能力です。
- 将来の目標を持つ(意欲)
- 目標を達成するために耐える(忍耐)
- ビジネスなどでより大きな成果を出すために他者と協力する(協調性)
- 上手くいったこと、失敗したことを受け入れる(自尊心)
- 欲望や怒りなどを抑制し、自身を安定させる(自制心)
これらを見ていると、子供から大人まで、いつの世代でも求められる能力ですよね。
非認知能力は、社会で上手く立ち回っていくために必須の能力と言えます。
また、子供においては、小学校に上がると求められるのが学力(認知能力)ですが、これを伸ばすにも非認知能力が必須です。
意欲や忍耐、自制心などが育っていないと、なかなか勉強に取り組むことが出来ません。
幼少期の頃から非認知能力を伸ばしておくと、学童期に学力を伸ばすことが出来るというわけです。
このように、非認知能力は何かに取り組む際の基礎となるため、幼少期から鍛えておいた方が良いのです。
学童期からは非認知能力を鍛える機会が減る
非認知能力は、「遊ぶことで鍛えられる」と言われています。
それも、一人で遊ぶのではなく集団で遊ぶことが大切です。
- 友達がやっていることを見て「すごい」「自分もやりたい」と感じる(意欲)
- 友達と接することで、他者との距離感やコミュニケーションの取り方を学ぶ(協調性)
- なかなか自分の思い通りにならないことを経験する(忍耐、自制心)
など、何気ない遊びの中で、子供はいろんなことを学んでいます。
一方、学童期になると、学業が入ってきます。
一日の多くの時間を授業に費やし、宿題まで課せられます。
習い事までするとなると、平日はほとんど遊ぶ時間が無くなります。
このように、学童期になると主に認知能力の向上が求められ、非認知能力を鍛える時間が幼少期に比べ少なくなります。
そのため、遊ぶ時間が多くとれる幼児期に非認知能力を高めておくことが重要となります。
AI社会では認知能力よりも非認知能力が求められる
最後は、これからの時代についてです。
認知能力を思い出してみてください。
認知能力となる知識や計算力、思考力などは、AI(人工知能)が簡単に行える分野です。
知識はインターネットに接続されていたら一瞬で手に入ります。
計算力は機械の得意分野ですし、思考力は学習型AIの登場により、劇的に進歩しています。
要するに、認知能力の分野だけを伸ばしても、AI社会では人としての価値が低くなる可能性があります。
一方、非認知能力は心理面の能力と説明しました。
心理というものは、AIが習得するのはかなり大変な分野です。
「人がAIを利用する時代」は訪れますが、「AIが人になる時代」はまだまだ先ではないかと思います。
人がAIに勝るためには、非認知能力が必須となります。
そんなAI社会を生きることになる(と思われる)子供には、幼少期の早い段階から非認知能力を鍛えておきたいですよね。
まとめ:【知らないとマズイ】幼少期に非認知能力を高めるべき3つの理由
いかがだったでしょうか。
非認知能力についてと、幼少期に非認知能力を高めるべき3つの理由を説明しました。
非認知能力とは、 数値で測れない心理面の能力であり、集団生活にて鍛えられます。
対称的に、数値で測れる学力などの能力は認知能力と言います。
そして、以下の3つの理由により、非認知能力は幼少期に高めておくべきです。
■ 非認知能力はあらゆる分野の基礎となる
非認知能力は社会で上手く立ち回っていくために必須の能力であり、認知能力(学力)を伸ばすためにも非認知能力は必要となります。
■ 学童期からは非認知能力を鍛える機会が減る
集団で遊ぶことで非認知能力が鍛えられますが、学童期になると勉学や習い事に多くの時間を費やすため、遊ぶ時間が多い幼少期に非認知能力を鍛えておくべきです。
■ AI社会では認知能力よりも非認知能力が求められる
知識や計算力、思考力などの認知能力は、AIが担える分野です。
一方で、心理面となる非認知能力はAIには難しく、今後の社会では非認知能力がより強く求められると考えられます。
AI社会を生きる今の子供には、幼少期の早い段階から非認知能力を鍛えておくべきです。
幼少期に非認知能力を鍛えることで、厳しい社会にも耐えられるレジリエンス力も養えます。
どんな社会でも、「折れない力」を持っている人間は強く、幸福度も高くなる傾向があります。
以下の書籍では、「ほめる教育」に疑問を呈し、今の子供に足りないもの、子供時代での非認知能力向上の大切さなどが書かれています。
私も読みましたが、ちょっと極論だったり、経験談だなと感じる部分もありましたが、昔の厳しい教育の価値を考える良いきっかけになりました。
なんとなく「ほめる教育がいいのかなぁ」と思っている方は、一度読んでみてほしい一冊です。